喜久田尚美
KIKUTA NAOMI
小さなお姫様の旅
2025
アクリル
Painting
H72.7 × W50 cm
Artist Profile
北九州市に生まれる
東京女子大学文理学部英文学科卒業
九州大学芸術工学府芸術専攻修士課程修了
■MONOGATARI
昔ばなしや物語は不思議な出来事に溢れ、脈絡がなく、あるときはとても恐ろしい。けれど、愛を込めて語られてきたが故に、人々に救いや生きる強さや知恵を与え続けてきた。だからこそ昔話は消える事なく愛され続けてきたのだと思う。
様々な物語を読んでいると、(聴いていても)、一行の文、ひとつの言葉に魅せられ、イメージが一瞬で浮かび上がる事がある。その一瞬をとらえてキャンバスの上に描き出したいと思っている。
物語に多すぎない絵が添えられる事は、ゆっくりと物語に共感し、想像の翼を広げていく手助けになるのではないだろうか。静かに物語と向き合う楽しみを見つけてほしいと思う。
世界中の子どもたちが愛を受け、豊かな心を育み、安心して成長する事ができるようにと祈りを込めて、私の物語の世界を送りたい。
■キンギョイズム
ヒトは古来よりキンギョを鑑賞用に作りかえてきた。しかしながら、交雑や突然変異種の純粋分離を続けてもキンギョの品種を固定することは難しい。キンギョはヒトの期待など我関せず、時として先祖返りをしたりするのである。ヒトの思惑どおりに成長するキンギョは全体の半分以下であると言う。キンギョは作りかえられたせいで、泳ぐ事に適した体も失った。不自然な優雅さを身に纏わされたキンギョは、それでもヒトの意のままにはならない。これは、恐るべきキンギョ的戦略と言えるかもしれない。
ヒトはキンギョを観賞すると言うが、実はキンギョの瞳はヒトをしっかりと絡め取り、ガラスケースやキンギョ街の軒先に無数に吊り下げられたビニール袋の中からまっすぐな視線を投げかけている気がする。その瞬間、この取りとめのない空間の中で溢れるような情報の波に流され浮遊し彷徨い揺れているのは、むしろ私たちヒトなのだと実感する。
しかし、ヒトはキンギョの視線を感知した時、その目の感触を得ることで覚醒し得る。そして、無意識に流れるかのような日常の奥に潜むもうひとりの我を一瞬でも感じとる事が出来るはずだと思う。その瞳を通してのみ、すべての生命との真実の繋がりとあるべき自己の姿が見えるのではないだろうか。
■パフェ
パフェの語源はフランス語のparfait。完全な(デザート)という意味であるらしい。
けれど、私の描くパフェは寧ろ不完全で、あり得ないパフェだ。
視覚を介し、冷たくて甘いという味覚を認知する直前に、食べることの出来ないものに感覚を攪拌させられるだろう。戸惑いから、この物語は始まる。
遠い記憶の中の会話、好きだった曲、雨音、波音、ミツバチの羽音、ザラッとした、あるいはなめらかな、あるいは温かな感触、苦手だった味、子どもの頃に読んだお伽噺、木漏れ日の眩しさ、行ってみたいと憬れた場所、驚きと悲しみと喜び・・・数え切れない感覚が浮かんでは消えるだろう。
それは、記憶を辿るというより、空想の世界に迷い込むというほうが良い。人の記憶とは全くあやふやで断片的なものだ。けれど空想の世界では、人は不完全な記憶の中の自分を自然な形で受け入れ、なんの矛盾も感じず自由に漂う事が出来る。
子どもの頃、好きだったパフェ。子どもの頃好きだった空想の世界がここにある。そして空想の世界から現実に戻った時、ほんの少し心持ちの違う自分を見つけられるかも知れない。アイスクリームは空想の世界への鍵なのだ。
【 SOLO Exhibition 】
個展
2024年 AFAFアートファア・アジア・フクオカ ギャラリー尾形出展 同年23,22,21,20,19,18
2017年 ギャラリー尾形個展
2015年 喜久田尚美ー銀次元よりFROM Silver DIMENSION – Shonandai MY Gallery
2014年 喜久田尚美展ーKIGYOISM-Shonandai MY Gallery(東京)
2013年 喜久田尚美展 rhizarians 紺屋ギャラリー(福岡)
2012年 喜久田尚美展CELL/リノベーションミュージアム冷泉荘ギャラリ(福岡)
2008年 喜久田尚美個展キンギョアワー/福岡県立美術館1階ギャラリー(福岡)
アートフェア
2015年 アートフェア・アジア・フクオカ2015・2016年作品ギャラリー尾形より出展
2014年 Asia Contemporary Art Show (Hong Kong)
2014年 Affordable Art Fair Singapore(シンガポール)
2014年 Art KAOHSIUNG(台湾)
2008年 第5回池田満寿夫記念芸術展/大阪府現代アートセンター(大阪)
【 Group Exhibition 】
2011年 ヨッチャンビエンナーレ/OZC GALLERY (大阪)
2011年 福岡アジア美術館交流ギャラリー(福岡)
2010年 P&E2010 Group A/ARTCOURT Gallery, Osaka(大阪)
2010年 ART WAVE 福岡/ 福岡アジア美術館企画ギャラリー(福岡)
【 Award 】
2007年第1回アクリル美術大賞展2007大賞受賞する。
ギャラリー尾形
Detail- SECTION :
- Galleries
- BOOTH :
- W50